特定看護師施行に立ちはだかるたくさんの壁

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特定看護師導入に対する今の現状

推進派の厚生労働省と反対派の日本医師会

医師の膨大な仕事量を改善するために、厚生労働省が発案した「特定看護師」の制度。制度導入に意欲的な厚生労働省に対して、日本医師会は慎重な姿勢を見せています。日本医師会の意見は、「看護師の業務が拡大することによって医療の安全性が損なわれる可能性がある」ということ。キャリアアップ・看護師の自立という面で、医療全体にプラスになることは認めていますが、やはり看護師が直接生命に関わる医療行為に手を出すことに不安があるようです。そのため「難易度の高い医療行為・生命に関わるような大きな判断は医師が行うべき」と主張しています。
特定看護師の創設は多くの生命に関わる問題であるため、制度の実現にはまだまだ時間が掛かりそうです。

制度導入に立ちはだかる課題

特定看護師を実現させるためには、さまざまな壁があります。
まずは法律の問題。「保健師助産師看護師法」の第37条には「保健師、助産師、看護師又は准看護師は、主治の医師又は歯科医師の指示があった場合を除くほか、診療機械を使用し、医薬品を授与し、医薬品について指示をし、その他医師又は歯科医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずる恐れのある行為をしてはならない」という一文があり、もし看護師が直接医療行為を行うことになれば、法律の改正が必要です。
次に特定看護師の養成機関を充実させること。教育施設・設備の確保・授業カリキュラムの設定など、さまざまな面で労力や費用がかかります。
そして最後は、制度を周囲に認知させ理解を得ること。特定看護師を世間に定着させるためには、特定看護師がどのような役割を果たすのか、従来の看護師とどう違うのかを伝える必要性があります。医療関係者、いつ患者の立場になるかわからないすべての人の理解を得た上で、やっと制度が世間に認められたといえるでしょう。

海外で見る看護の現状

海外には、ナースプラクティショナー(NP)という特定の診断・治療行為を行う看護師がいます。アメリカ・カナダ・タイ・韓国などでは既にこの制度が導入されています。看護師が医療チームの一員となり、専門性の高いチームプレイを発揮できるNP制度は、日本で活躍する多くの医療関係者から高く評価されています。
本来、「特定看護師」は、NPをモデルとして発案されたものです。しかし、導入への道は難航しています。NPの導入は生命に関わる大きな問題であるため、反対意見や反発からは逃れられません。日本人にNP制度が浸透する日は、まだ遠いようです。

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